あらすじ
「本物のヒーローは、見返りなんて求めない」
好きな女の子のため、少年は、悪となる。
まれに、超常の力が発現する現代。
人々を守る「現代ヒーロー」は、富と名声に執着し、世論すら操る、欺瞞に満ちていた。
ヒーローに純粋な憧れを抱く少女――零(れい)。
ヒーローに家族を壊された過去を持ち、その社会を憎む少年――凛(りん)。
正反対の動機を持つ幼馴染、零と凛。二人は、偽物だらけの世界を壊すため、共に戦いの舞台へと身を投じる。
あるとき二人は、ヒーローの強さが精神性に依存していることを知る。
「幸せを、掴まんとするほど、強くなる」
理想のヒーロー像を追うことに幸せを見出し、眩いほどの強さを手に入れていく零。
対して、復讐という負の感情に囚われた凛は、次第に力を失い、彼女の背中を見つめることしかできなくなっていく。
そんな中、凛は、自分の本心に気づく。
本当は、復讐のためなんかじゃなく、ただ、零の隣にいたいだけでヒーローになっていたのだと。
遠ざかっていく零と対等になるため、凛は、ある答えにたどり着く。
本物のヒーローとなった零を、さらに引き立てたい。
そのための、悪役になる。
あえて悪の道を選び、牙を剥く凛。
正義と悪に分かたれて、二人は激突する。
そんな彼らの前に、現代ヒーローたちの陰謀が生んだ、強大な怪物が現れた。
本物のヒーローを殺すため、街を破壊し、市民をも巻き込んでゆく。本物の悪を前に、凛は、ひとつの決断をする。
好きな女の子のために、すべてをなげうつ。
それが、彼にとって、何より幸せを掴まんとする行動だった。
大切な友達を犠牲にしてでも、市民を守るか。
それとも――
究極の選択を迫られたとき、零が掴み取る「本物のヒーロー」の答えとは。