あらすじ
善意と規律の名を借りて人を使い潰す神殿で、
私は「優しい聖女様」としてすべてを搾り取られていた。
昼も夜もなく結界を支え、王都を守り続ける日々。
誰も気づかない。私一人がいなくなれば、この国が終わるという事実に。
そんな中、唯一の心の支えだった小さな獣ルミが、
「聖女の覚悟を示せ」と笑う上位聖女イルゼの手で無残に殺される。
――その瞬間、すべてがどうでもよくなった。
私は結界の維持をやめ、
これまで無理やり繋ぎ止めていた“ほころび”を解放し、王都を見捨てる。
結果は当然だった。
結界は崩壊し、神殿は壊滅、王都は地獄へと変わる。
泣き叫びながら縋りつく元上司に、私はただ一言だけ返す。
「今度はあなたが、“覚悟”を見せればいい」
これは、優しさを搾取され続けた聖女が、
すべてを見限り、正当に扱われる場所でやり直す物語。
――そして、自分を使い潰した者たちが、順番に破滅していく話。