あらすじ

E級。計測不能。探索者カードの動機欄には「モテたいから」。鋳槻陽翔、十九歳。こいつはアホだ。 だが陽翔には秘密がある。「心傷視」——人の心の傷が色で視える。赤い亀裂は怒り、青い霜は悲しみ、黒い靄は恐怖、灰色の鎖は自罰。ガキの頃からずっと視えていて、ずっとうるさくて、ずっと見ないふりをしていた。口癖は「飯食って寝りゃ治る」。逃避だ。 ダンジョン配信を始めたら、傷だらけの女が寄ってきた。凍結暴走で仲間を殺した氷使い・凛禰。道具として使い捨てられた索敵少女・薫。感情を消された精神干渉者・紗霧。完璧な笑顔の裏に壊れかけの心を隠すA級エース・泉水。陽翔は四人の傷を視て、アホみたいにシンプルな言葉で救った。「泣きたきゃ泣けよ」「お前がいないと困る」「消えんな」「弱くていい」。助けた女は全員、バグるほど重かった。掲示板では「激重ヒロイン製造機」と呼ばれ、配信は同接二十万を突破する。 だが精神汚染がダンジョンから街に溢れ出す。源は最深部に眠る「地球の傷」——三十年分の人類の苦痛が凝縮した存在だった。攻撃では倒せない。傷は殴って治すもんじゃない。陽翔は心傷視を全開にして、源に語りかけた。「お前も腹減ってない?」。四人のヒロインが自分の傷の経験で源に共鳴し、地球の傷が癒え始める。同接二十五万が見届けた朝。 「お前ら重すぎ。でもまあ、悪くない」——傷だらけのアホが、傷だらけの世界をほんの少しだけ暖かくする、現代ダンジョン配信譚。

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カクヨム
カクヨム2026/03/30
  • 現在の作品モテると聞いたのでダンジョン探索者になったら、激重ヒロインを量産していた ~E級のアホには人の傷が視えるらしい~