あらすじ
世界は、まだ壊れていない。
だが、壊れていないだけである。
就職に失敗した者、過去の死者を忘れられない男、信仰と現実の乖離に耐えきれなくなった者、ただただ恵まれた少年。
彼らはそれぞれ別の理由で、この世界に違和感を抱いていた。
未来は最初から予定表のように決まっており、何を選んでも意味がない。
理想も革命も、すでに消費され尽くしている。
残っているのは、ただ疲労だけだった。
やがてその違和感は、思想となる。
――この世界は、一度壊さなければならない。
同じころ、陸上自衛軍将校・四谷賢一は、
国家とは守るためではなく、奪い、使い潰すための装置だと見抜く。
彼はクーデターによって日本を掌握する。
その目的はただ一つ。世界征服。
一方、南半球では正体不明の組織――地球防衛軍が台頭する。
彼らは「破滅加速主義」を掲げ、資本主義も国家も人類文明そのものも否定し、この世界を終わらせることこそが救済だと主張する。
やがて、戦争が始まる。
無人兵器、都市破壊、宗教動員、情報戦、核兵器。
世界は「戦争状態」そのものへと変質していく。
そして物語は、もう一度最初へ戻る。