あらすじ

以下、ネタバレを含むあらすじ  永く黄泉国を統治していた伊邪那美は、太平洋戦争下の日本に肉体を持つ「ヒト」として地上に放り出されてしまう。八十年後、彼女は「比良坂ナミ」と名乗り、弁護士として生きる傍ら、須佐之男(ヤサカ)と共に探偵業を営んでいた。  ある神社の宮司、葦原昌治の失踪事件を受け、ナミは警察官の置座当屋とともに調査を開始する。その過程で別れた夫、伊邪那岐(ナギ)と再会し、葦原が神殺しの神器「天之尾羽張」を探していることが判明する。  その最中、ナミは葦原に襲撃される。神々は、背後に葦原を操る何者かがいると確信し、黒幕をおびき寄せる作戦を決行するが、そこに現れたのは神としての姿を取り戻した伊邪那美だった。同時期、当屋もまたナミがヒトではないことを悟る。  一同が目の当たりにしたのは「ナミがナミを殺そうとしている」という衝撃の事実だった。  ナギは、かつて伊邪那美が暴走する自らの「荒魂」から国を守るために魂を分け、和魂で荒魂を封じた過去を語る。  今、肉体の中で封印が解け、自由を求める荒魂が葦原を操って和魂をを殺そうとしているのだ。  荒魂による国の滅亡を恐れたナミは、自ら死を選び、黄泉国へ戻る決意を固める。  しかし、彼女の魂は地上に戻った時点で既に統合されており、黄泉国で得た強大な力とともに復活を果たしていた。ナミは過去の罪に縛られ、神としての自分を拒絶するあまり、無意識のうちに「神である自分を殺して黄泉へ帰そう」と力を暴走させていたのだ。  絶望するナミを救ったのは、当屋の愚直な人間性だった。「怖いままでもいい」と自らのすべてを肯定してくれる彼の熱意に触れ、ナミは恐怖や強大な力と向き合い、受け入れる覚悟を決める。数年後、力の制御に成功したナミは再び当屋の前に現れ、自らの正体を告白する。  神と人という垣根を超え、二人は新たな絆を結び直した。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/03/30
  • 現在の作品伊邪那美 ─古事記の謎解きを、あなたと─