あらすじ
■作品紹介文
人は、忘れることで生きていく。
だが——もしその「忘却」が、誰かを守るための代償だとしたら。
廣川碧は、ごく普通の高校生だった。
白鷺学園に通い、何気ない日常を過ごしていた彼の記憶は、ある異能によって少しずつ失われていく。
その能力の名は『忘却契約(オブリビオン・コントラクト)』。
発動するたびに、碧は戦う力を得る代わりに、自らの記憶を代償として失っていく。
名前、思い出、感情——そして、大切な人の存在すらも。
そんな彼の心の奥に残っていたのは、たった一つの想いだった。
「妹・廣川茜を守る」という理由だけ。
しかしその妹の存在さえも、記憶の崩壊とともに曖昧になっていく。
失われていく記憶の中で、碧は戦い続ける。
何のために戦っているのかさえ、分からなくなっても。
やがて彼は知る。
この世界そのものが、「記憶」を巡る巨大な契約の上に成り立っていることを。
そして、彼の前に現れる“組織”。
碧を監視する担任教師・堀内貞。
そして、すべての真相を知る男——阿佐美階皇。
記憶を失うたびに強くなる少年は、やがて気づく。
——守るたびに、君の名前が消えていく。
■登場人物(簡易)
■廣川碧(ひろかわ あお)
白鷺学園に通う高校生。異能『忘却契約』の使用者。戦うたびに記憶を失い、存在の意味さえ曖昧になっていく。
■廣川茜(ひろかわ あかね)
碧の妹。明るく感情豊かな少女だが、その存在には“違和感”が付きまとっている。
■堀内貞(ほりうち さだし)
碧の担任教師。穏やかな人物だが、裏では碧の監視役として動いている。
■阿佐美階皇(あざみ かいおう)
謎の組織の頂点に立つ男。碧の存在そのものに異常な執着を見せる。
■作品テーマ
・記憶と存在の喪失
・守ることの代償
・“忘れること”と“忘れられること”の違い
・世界そのものの異常性