あらすじ
生まれる前から知っていた少女が、やがて自分の人生を大きく揺らす存在になるとは、ルイはまだ知らない。
英国の小さな村、ロウアー・スローター。
アイ川のほとり、石造りの家と古い教会に囲まれたその場所で、美夏とルイの長い時間は静かに始まる。
十七歳差のあるふたりは、最初から同じ場所に立っていたわけではない。
美夏にとってルイは兄の親友であり、四歳の誕生日からヴァイオリンを教えてくれた人だった。ヴァイオリンの音、まなざし、会えない時間、そして積み重なっていく季節の中で、ふたりの距離は少しずつ変わっていく。
やがて物語は、ロウアー・スローターから日本、ウィーン、そしてブルターニュの海岸へ。
「海と光」という曲に導かれるように、遠く離れた場所や時間さえも、ふたりの想いを静かにつないでいく。
劇的な出来事が起こるわけではない。
けれど、日々の小さな積み重ねは、長い歳月の果てに少しずつ愛へと姿を変えていく。
これは、音楽で紡がれていく、長い愛の物語。
十七歳差のふたりが、会えない時間も越えて少しずつ心を重ねていく恋愛小説です。