あらすじ
古物審理官・聞昭には、古物に遺された「最後の声」が聞こえる。
封印された遺物の審理中、彼女は亡国の夜に死んだはずの男の名を聞いた。
沈渊。
史書から消された、その生存者。
彼と出会った瞬間、王朝の正統は絶対ではなくなる。
古物は泣く。
笑う。
ときには、どうでもいいことで騒ぎもする。
そうした声の底には、滅びた王朝の真実が沈んでいた。
同じ秘密を知った二人は、やがて共犯となり、背中を預ける戦友になる。
けれどその先で待っていたのは、互いの過去と、決して無関係ではいられない真実だった。
古物の声が導くのは、亡国の夜の再審。
これは、消された歴史にもう一度口を開かせるための物語。