あらすじ

遅刻は、社会的には薄まる。けれど「遅刻している自分」は薄まらない。 広告代理店で制作進行をしている黒川祐介は、寝ぐせ、二日酔い、入場規制、そして充電切れ――毎朝の“詰み”を、なんとか最小化して生き延びている。 ただし彼の職場には、ひとつだけ絶対の価値観がある。連絡至上主義だ。 上司の鷹野純一は怒鳴らない。怒鳴らない代わりに、丁寧な言葉で順序だてて確認する。 「遅れるのか。影響はあるのか。」 その二つだけを、淡々と聞く。 聞かれるたびに、祐介の“清潔な嘘”は少しずつ剥がれ、空白が見え、沈黙が重くなる。 断罪ではなく、事実の冷えで刺す、朝のブラックユーモア。

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カクヨム
カクヨム2026/03/30
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