あらすじ

彼の岸へ華に荘厳(かざ)らる桜橋 「彼の岸」によって、単なる対岸の風景が一挙に彼岸の気配を帯びる。現実の桜橋でありながら、此岸から彼岸へと渡る象徴としての橋が立ち上がるのがこの句の眼目である。 「華に荘厳らる」としたことで、満開の桜は単なる景物を超え、仏を飾る荘厳の趣を帯びる。人の手で飾るのではなく、すでにそう在るものとしての受動の表現が、世界そのものの成り立ちを感じさせる。 写真に見えるような花の覆いと人の往来もまた、日常のままにしてどこか浄土めいた光景を成しており、此岸の賑わいがそのまま彼岸へと通じているかのようである。現実と象徴とが重なり合う、奥行きのある一句。

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カクヨム
カクヨム2026/03/30
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