あらすじ

大神殿の地下最深部、禁書庫。 異端文書や焼け残った聖典が集められるその場所で、下級司書エイルは、回収された一冊の巡礼日誌を整理していた。 焼け焦げ、削られ、閲覧を禁じられたその日誌には、存在しないはずの都市名が残されていた。 ミナディア。 それは、十年前に“神罰”で故郷を焼かれ、行方不明になった妹ミナの名にどこか似ていた。 その夜、日誌を運んできた神官が禁書庫の閲覧室で密室焼死を遂げる。 大神殿はそれを“神罰”として処理しようとするが、エイルには見えていた。 消された記録の余白と、故郷ヴァルセインへつながる地図にない道を。 神託が国を支配する王国。 書き換えられた歴史。 地図に載らない都市。 そして、死んだはずの妹の行方。 禁書庫の司書が“消されたもの”を追う先で、神話も王権も世界の形も揺らぎ始める。 これは、偽りの神託に支配された世界で、失われた名を取り戻していく異世界謎解き長編。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/03/30
  • 現在の作品神託の空白地図