あらすじ
【あらすじ】
「亡くなった人のアカウントにメッセージを送ると、返信が来る――」
高校生の悠真(ゆうま)の周りで囁かれる都市伝説『死者のアカウント』。
十年前の夏祭り、自分の手をすり抜けて行方不明になった姉・沙織を忘れられずにいた悠真は、ある夜、誘惑に負けて姉の番号にメッセージを送ってしまう。
直後に灯る、青い「既読」の二文字。
「ゆうくん、久しぶり」
画面の向こうから届くのは、家族しか知り得ない記憶と、インカメラを通じてこちらの生活をすべて覗き見ているかのような、執拗なまでの執着だった。
やがて怪異はスマホを飛び出し、壊れた家族をさらなる狂気へと突き落としていく。
暴走するデジタル・ノイズと、姉の形をした「捕食者」。
悠真は、十年越しの「執着」にケリをつけるため、呪われたデバイスを手に現実とデータの境界線へと踏み出す。
【登場人物紹介】
桐生 悠真(きりゅう ゆうま)
本作の主人公。高校二年生。十年前、夏祭りの雑踏で姉の手を離してしまったことに深い罪悪感を抱き続けている。停滞した日常を送っていたが、姉のアカウントからの返信をきっかけに、デジタルの深淵に引きずり込まれていく。
沙織(さおり)
十年前、当時高校生だった悠真の姉。夏祭りで忽然と姿を消し、現在は生死不明。スマホを通じて悠真に接触してくる「何か」は、彼女の姿を借り、家族を独占しようとする不気味な執着を見せる。
凛(りん)
悠真のクラスメイト。オカルトや都市伝説に詳しく、鋭い観察眼を持つ。悠真の異変にいち早く気づき、デジタル・ストーキングを超える「概念的な侵食」の危険性を警告する。
悠真の母
姉の失踪後、心の均衡を崩し、怪しげな宗教の壺に祈りを捧げる日々を送っている。姉のアカウントが放つノイズに呼応するように、狂気に蝕まれていく。
【作品の魅力】
スマートフォンの「既読機能」や「インカメラ」といった日常的なツールが、取り返しのつかない恐怖へと変貌していくリアルな恐怖を描きます。10代〜20代の読者が共感しやすいデジタルな世界観と、家族の絆と崩壊という普遍的なテーマを融合させた、一気読み必至のモダンホラーです。