あらすじ
「卒業」という言葉に、あなたはどんな思い出を重ねますか。
涙を流した別れ、希望に満ちた門出、あるいは胸を焦がすような恋。
けれど、そんな輝かしい記憶が、私にはほとんどありません。
学校という場所が息苦しくてたまらなかった高校時代。
自由を得たはずなのに、空虚さだけが深まった大学生活。
青春の思い出が、テレビ画面の光と薄暗い部屋の
記憶しかない男が、時を経て春の足音を聞きながら
かつての自分に静かに思いを馳せる。
何者かになれなかった学生時代と
それでも続いてきた「その後の人生」を綴る
ささやかな回想録。