あらすじ

将来の夢なんて、何もなかった。 高校二年の春、進路調査票を前にして、何も書けずに立ち尽くした私。 周りが当たり前のように未来を語る中で、自分だけが取り残されている気がしていた。 そんな帰り道に立ち寄った祖母の家で、私はひとつの言葉をもらう。 「大丈夫、次の一歩だけ。」 それは世界で一番弱い魔法だと、祖母は言った。 その言葉に背中を押されるようにして踏み出した、小さな一歩。 図書室で出会った、ただ静かに文章を書き続ける同級生。 「途中でやめてもいい」 その何気ない言葉。 完璧じゃなくていい。 夢なんてなくてもいい。 書きかけの言葉のように、不確かなままでも、進んでいけると知ったとき、止まっていた私の時間はゆっくりと動き出す。 これは、何者でもなかった一人の少女が、自分の一歩を見つけるまでの、静かで小さな物語。

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エブリスタ
エブリスタ2026/03/29
  • 現在の作品世界で一番弱い魔法