あらすじ
ある日、王国のすべてが止まった。
魔法通信が途絶え、物流が滞り、辺境の砦は連携を失い、徴税の仕組みは混乱した。
何かが壊れたわけではない。ただ、ひとりの文官が姿を消しただけだった。
カイ・ソーマ。宮廷書記官。魔法の才能は一切ない。
剣も振れない。人前で話すのも苦手だった。
だが、王国のあらゆる「仕組み」は、彼の設計図の上に成り立っていた。
王命により、記録官リーナ・ヴァレスが調査を開始する。
将軍、魔術師、商人、技術者——関係者たちへの聞き取りを重ねるうちに、
誰もが知っていたはずのカイの、誰も知らなかった姿が浮かび上がる。
彼は何を作り、何を壊し、なぜ消えたのか。