あらすじ
山岳地帯の奥深く。
人々から「邪悪」と恐れられる一匹の龍がいた。
黒き鱗に、血のような赤い瞳。
その姿を見た者は不幸になると噂され、誰一人として近づこうとはしない。
孤独の中で、人の不幸すら愉しむようになった龍。
――そんな彼の前に、ある日ひとりの少女が現れる。
生贄として差し出されたはずの少女は、なぜか怯えることもなく、
ただ穏やかに笑いながら、龍のそばに居続ける。
「ひとりは寂しいもの」
その一言が、凍りついた心を少しずつ溶かしていく。
これは、
“邪悪”と呼ばれた存在と、
無垢な少女が紡ぐ、
静かで、優しくて、そして少しだけ切ない物語。