あらすじ
魔王討伐から三か月。
世界は平和を取り戻し、勇者たちは英雄になった。
――なのに、ユウトのまわりでは、何かがおかしい。
かつて命を預け合った仲間の少女たちは、なぜかみんなユウトを「兄」と呼び、世界のほうもそれを当たり前のように受け入れていた。
そんな歪んだ日常の中、ただ一人だけユウトを名前で呼ぶ銀髪の少女・アイリスが現れる。
「今度こそ、忘れないで。ユウト」
その言葉をきっかけに、ユウトは気づく。
自分たちは、魔王との最後の戦いで“たった一人の大切な仲間”を失っただけではない。
その子の名前ごと、記憶ごと、六人の関係そのものを書き換えられていたのだと。
取り戻さなければならない。
忘れられた少女・アリアを。
そして、誰か一人を外へ押し出して成り立っていた、歪な平和そのものを。
第一部は、消えた名前を追って“六人目”を取り戻す物語。
第二部は、文化祭を舞台に“七人目”を生まないため、六人で抗う物語。
これは、誰か一人の犠牲で終わる物語じゃない。
名前を呼び、手を取り、何度でも「ここにいる」と確かめながら、六人で帰る。