あらすじ

五歳の日、リーゼロッテは知った──人が嘘をつくと、黒い棘が見える。 家族の言葉にも、侍女の笑顔にも、宮廷のどの挨拶にも棘があった。真実を口にする人間は、一人もいない。十二年間、彼女は誰も信じず、笑うことを忘れ、ただ息を殺して生きてきた。 ある日、遠い辺境伯クラウスとの縁談が届く。宮廷を離れるために──それだけの理由で受けた婚姻だった。 けれど辺境で待っていたのは、棘のない人。 十二年ぶりに聞く、嘘のない声。寡黙で不器用な辺境伯は多くを語らない。ただ温かい手で、冷え切った指先をそっと包む。凍りついていた胸がじわりと溶けていく──その感覚を、リーゼロッテはまだ「信じる」と呼べずにいた。 「……なぜ、あなただけ棘がないんですか」 その問いの答えを知ったとき、彼女の世界は変わる。 一方、リーゼロッテが去った宮廷では、隠されていた嘘が一つずつ綻び始めていた──。 ★第1章「嘘が見える令嬢は誰も信じない」全12話公開中★

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2026/03/29
  • 現在の作品嘘が見える令嬢は誰も信じない ~辺境伯だけ棘がないのはなぜですか~