あらすじ
将来を有望視されていたピアニスト・朝倉美咲は、理想や周囲の期待に縛られるあまり、自分らしい演奏を見失い、音楽に苦しむようになっていた。完璧を求めるほどに音は濁り、前に進めなくなった彼女は、ついにすべてを手放す決断をする。
コンクールや評価から離れ、「空っぽ」になる時間を過ごす中で、美咲は少しずつ本当の自分の声と向き合い始める。そして再びピアノに触れたとき、そこには誰のためでもない、自分自身のための音楽があった。
すべてを失うことは終わりではなく、新たな始まりだった。
手放した先で、美咲は自分だけの音と、新しい人生への一歩を見つけていく。