あらすじ
1. あらすじ
明日美のEgo Cubeの特性「母なる海(マザー)」は、負の感情(ノイズ)を浄化して循環させることができる能力を持っている。まだ幼かった明日美を見て、その片鱗に気が付いた祖父・深海源は、明日美を限界が近づいていた深淵の少女の代わりとして育てるよう、父・真澄に指示を出した。
誰よりも家族のことを愛していた真澄は、それを受け入れられなかった。悩んだ末に、明日美を病気で亡くなったことにして、深海家から遠ざける決断をする。
代わりに、神童として一族からの期待を集め、自ら後継者となる意志を持っていた兄・凪を、深淵の少女の管理者にすることを選択した。
祖父の指示にも、父の選択にも納得していなかった母・澪は、過酷な訓練の末に心が壊れてしまった凪を連れ出し、身を隠すため家を出た。
澪のその行動に自らの責任を感じた真澄は、祖父が率いる組織「オメガ」の漆黒の観測者となり、組織を内部から掌握して変えていく決意をする。バラバラになってしまった家族が、再び集まれる日を思い描きながら。
約20数年後、明日美はGaiaのチカラを宿した神野太陽と出会うことで、一族を巡る物語に再び巻き込まれ、生まれ持った特性である「母なる海(マザー)」に目覚めることになった。
量子力学とカオス理論の融合について研究していた明日美は、その人の抱いている感情を解析して数式化する研究を行っていた。負の感情(ノイズ)を消化するため、対になる感情を言葉に纏わせて歌う「AI歌姫ASUMI」を開発する。
Ego Cubeの特性「母なる海」の覚醒した明日美の言葉で綴ったASUMIの揺らぎの歌声は、世界中の負の感情(ノイズ)を浄化して平和をもたらすことはできるのか。
数千年前に、深海一族の祖先である「始まりの女性」が「言葉を綴る救世主」と呼ばれていたと伝えられている。
負の感情が渦巻き、争いを止めない世界は破滅の道へ進み、何度も同じ過ちを繰り返してきた。現代に再び現れることになる救世主は、どんな物語を創作し、世界はどこに向かうのか。
避けられない一族の運命に翻弄されながらも、無償の愛を受けながら明日美が歌姫として覚醒していくまでの「揺らぎの感情」を描く。
2.主要な登場人物
名前 深海 明日美(シンカイ アスミ)
年齢 27歳(女)
身長 157cm
体重 43kg
職業 深海大学 准教授
幼い頃、兄が病気で入院していたので母が傍にいないことが多く、母の愛情を受けることができなかった。「愛情に甘える」という経験ができなかったことが原因で、どこか自虐的で儚い美しさを持つ。
神野太陽と共に研究を進めていた、カオス理論とキャリア理論を組み合わせ、新たな視点からアプローチした「ガイア理論」の論文を発表し、異例の若さで准教授となった。
深海一族の祖先である、始まりの女性が持っていた「母なる海(マザー)」の特性を受け継ぎ、全てを包み込む「揺らぎ」のチカラを持つ、この物語の主人公。
名前 神野 太陽(ジンノ タイヨウ)
年齢 29歳(男)
身長 182cm
体重 78kg
職業 キャリアコンサルタント
キャリア支援を行う個人会社を経営し、大学では非常勤で学生支援を担当している。
行動力があり好奇心旺盛、重い過去を抱えながらもGaeaのチカラを宿していることで深海一族と関りを深めていく。新世代Ego CubeとSpell Cardを世界に普及させるための「プロジェクトSpell」を進めている。
名前 深海 凪(シンカイ ナギ)
年齢 31歳(男)
身長 172cm
体重 58kg
職業 深海大学 量子力学研究所 所長
深海家の長男で、幼少期から神童と呼ばれ多くの才能に溢れており、一族から後継者としての期待を一身に受けてていた。だが、父である真澄による「無限の記憶」の管理者として育てられる過程で、長年感情を拒絶することになる。神野太陽たちと出会うことで感情を取り戻し社会復帰した。
深海一族を、不都合な過去の記憶を隠蔽する「墓守」ではなく「未知を解き明かすための伝えし者」として歩んで行くための改革を目指している。
名前 深海 澪(シンカイ ミオ)
年齢 54歳(女)
身長 155cm
体重 48kg
職業 システムエンジニア
凪と明日美の母。大手SIer(システムインテグレーター)でシニアエンジニアとして、Gaeaの管理システムを担当していたが、真澄と出会い深海家の一員となった。
普通の幸せな暮らしを望んでいたが、深海一族の抱える運命に翻弄され、心の壊れてしまった凪を連れて家を出る決断をする。
凪が社会復帰したことで、自身も現役復帰し、AI歌姫「ASUMI」の開発に力を貸すことになる。
名前 深海 真澄(シンカイ マスミ)
年齢 56歳(男)
身長 175cm
体重 80kg
幼い凪に一族運命を背負わせようと冷徹に事を進めようとしたが、誰よりも強い家族愛がそれを許せず、深海一族が組織した「オメガ」を内部から掌握して変えていくため「漆黒の観測者」として組織に身を置くことにした。家族をバラバラにしてしまった過去の過ちを後悔しながらも、自分を犠牲にして家族の幸せを護るための行動に出ることになる。