あらすじ
「あなたを、私の漫画のモデルにさせて。一挙手一投足を観察させてもらう」
瞬間記憶を持つ漫画家志望・日坂美胆(ひさか みたん)。
「お前をすべていただけば十分だ」
彼女が実家の蔵で見つけたのは、数百年前に里を滅ぼし封印された「元龍神の血喰い」・龍号(りゅうごう)だった。
封印を解いた対価として、血を一滴差し出した美胆。
だが、恐怖に震えるどころか、彼女は龍号の「人外の美しさ」に魅了されてしまう。
吸血鬼と呼ばれることを嫌う誇り高き元龍神と、彼を最高の『作画資料』として執着する狂った飼い主。
東京と沖崎を舞台に、血とインクで綴られる、美しくも歪な共生関係が始まる。
「……お前、俺を吸血鬼としか思っていないだろう」
「失礼な。最高の『素材』だと思ってるよ」
人外×執着ヒロイン。この恋は、描き切るまで終わらない。
【登場人物】
日坂 美胆(ひさか みたん)
二十二歳。漫画家志望。映像を瞬間記憶できる特殊な能力を持つ。
実家は九州にある沖崎県(架空)の旧家。東京でアシスタントのバイトをしながら
投稿を続けている。細かいことは気にしない大胆な性格だが、観察眼は鋭く、
見たものを正確に記憶・再現する能力は並外れている。
龍号(りゅうごう)
かつて龍神の里の里長候補だった龍神。数百年前に何らかの理由で里を滅ぼし、
龍神から血喰いの鬼に堕ちた。人間の血を糧とするが、
自身が「吸血鬼」と呼ばれることを極度に嫌う。
美男子。百八十五センチ程度の長身。漆黒の長髪。
暗い赤の瞳に金の縦長の瞳孔を持つ。
外見は二十代後半だが、実際は数百年以上生きている。