あらすじ
長野県の深い山奥。
そこは恐ろしい怪異たちが跋扈する日本最大級の『禁足地』だったが、そんなこととは露知らず、ぼくは喋る動物たち(※全員、特級クラスの怪異)に囲まれてすくすくと育った。
高校進学を機に、ぼくは子供の頃から溺愛している愛狐の『テンコ』を連れて上京する。
しかし、花の都・東京は、人間の欲望が具現化したバケモノ『怪異』が蔓延るヤバい街だった。
都会の魔術師たちは、自らの寿命や感覚を対価にして名もなき怪異と契約し、血反吐を吐きながら戦っている。
怪異に深く憑かれれば自我を失い、化け物である『怪人』に成り果ててしまう過酷な世界。
……なんだけど。
「え、都会の動物って喋らないの?」
「キュゥ(主様、あんな下等な野良犬どもと一緒にしないでほしいのじゃ)」
ぼくがただのモフモフなペットとして可愛がっているテンコは、実は神話級の特級怪異『天狐』。
しかも、そんなテンコと四六時中一緒にいたぼくは、いつの間にか『完全に自我を保ったまま、最強の力を持つ怪人』へと変貌していたらしい。
都会のエリート魔術師が強大な怪異を前に絶体絶命のピンチに陥る中、ぼくはテンコの散歩ついでに、圧倒的な力で敵をワンパンしてしまう。
「特級怪異を従えた、自我のある怪人!? あ、あなたは一体何者なの……!」
「いや、ただの田舎者だけど? あ、テンコは噛まないから撫でていいよ」
命懸けで戦う都会の魔術師たちを尻目に、常識外れの山育ち主人公が、特級怪異のペットと共に東京を無自覚に無双していく、勘違いファンタジー開幕!