あらすじ
アイゼンガルド辺境伯家の次男ユーリは、周囲から「ぱっとしない変わり者」と思われていた。だが、彼には前世――中堅ゼネコンの土木施工管理技士として現場を駆け回った記憶があった。
ある日、調査に訪れた辺境のボロ砦『カストルム・フェルム』に、2000の敵軍が迫る。
砦にいるのは、ユーリと守護騎士、そして13人の兵士たち。
戦力差、実に130倍。
「15人で2000人を迎え撃つ? 無理よりの無理ですよ!」
悲鳴を上げる騎士を尻目に、元現場監督の血が騒ぐ。
「無理をじゃなくするのが俺たちの仕事だ。さぁ準備を始めようか」
ユーリが手に取ったのは剣ではなく、測量縄と図面。
動滑車の原理を用いた投石機のオーバーホール、規格化された石材の切り出し、そして「敵軍という組織の脆弱性」を突いた心理戦。
90秒サイクルで降り注ぐ「正確無比な投石」が、不可能と言われた防衛戦を「完璧に管理された現場」へと変えていく。
これは、一人の技術者が知恵と誇りで、大軍を完封する物語。