あらすじ

「はい、どうもいつもありがとうございますっ。……次の方――えっ、人間?」 店主らしき男はぴたりと動きを止め、眉をひそめた。次の瞬間、カウンターに両手をついてぐっと身を乗り出し、丸く見開いた目で、まじまじとおれを見つめてきた。 おれは「ははは、まあ……」と曖昧に笑い、手にしていたベーコンレタスサンドをカウンターに置いた。カサリとビニールの擦れる音が妙に大きく響いた気がした。 今日は行きつけの牛丼屋が臨時休業だった。仕方なく通りをぶらつき、どこか手ごろな店はないかと探しているうちに見つけたのが、この小さなパン屋だった。看板は少し色褪せていて、ガラスも曇っており、どこか時代に取り残されたような雰囲気を漂わせていた。それがむしろ、どこか親しみを感じさせた。なのに――。 「いやー、珍しいですねえ。人間のお客さんなんて……あっ、もしかして現金ですか? あの、申し訳ないんですが、うちは――」 「いや、電子マネーで払えるよ」 おれはそう言ってポケットからカードを取り出し、差し出した。すると店主は一瞬きょとんとしたあと、首を傾げて苦笑した。

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小説を読もう2026/03/29
  • 現在の作品ロボット社会 :約2500文字 :ロボット