あらすじ
「この世界の魔法、デザインのセンスがなさすぎだろ」
異世界に召喚された元・看板書き職人のカンナ(漢那)。
勇者候補として期待された彼だったが、鑑定結果は無情なものだった。
固有スキル「なし」。そして――この世界の「文字」が一行も読めない『言語理解不能』。
「文字も読めぬ無能など、我が国には不要だ!」
ゴミのように捨てられたカンナ。だが、彼には他人には見えないものが見えていた。
この世界の物理法則を縛る『神聖文字(ルーン)』が、ただの「バランスの悪い図形」に見えていたのだ。
ハネが汚い。余白がうるさい。重心がズレている。
そんな理由で、カンナは手にした筆を走らせる。
「……ここ、一画いらねえよな?」
カンナが「文字」をデザイン修正(デリート)した瞬間、
放たれた極大火炎魔法は「ただのぬるま湯」に変わり、
絶対防壁の結界は「黒板消し」で消したように消滅した。
これは、文字が読めないゆえに「世界の仕様書」をバグらせる男が、没落令嬢と共に魔法の常識をリノベーションしていく物語。