あらすじ
『霧の国ニヴルヘイム』。そこは濃い霧の壁によって外界から閉ざされた人口500人程の小さくも美しい王国。そこに住むのは人ならざる者たち。太古の大悪魔の血を引くとされる彼等は、誰もが美しい外見を持つが、総じて尖った耳に、蒼い血と青い肌をしている。
彼等はその物騒な起源にも関わらず、古来より人間とのかかわりを避け、平和な暮らしを営んできた。
ニヴルヘイムの中にあってなお、誰もが見惚れるほどに美しい容姿を持つ第一王女は、好奇心旺盛なのとお転婆なのが玉に瑕だが、常に明るく誰にも優しいその性格は周囲から深く愛されていた。
彼女自身も愛する恋人との結婚を目前に控え、幸せの絶頂にいた。
一方で、霧の壁の外では人間達の三つの民族が日夜、血で血を洗う戦争を繰り返していた。
ある日、『勇者』の血を引く若者・レオンに率いられた一部隊が霧の前で敵軍に包囲され、一か八かの賭けで霧の壁の中へと侵入したことで、王女たちの運命の歯車が大きく狂い始める。
人間とは手を取り合えるのか。“悪”とは、何なのか——
これは『光に愛されなかった』者たちの、哀しく切ない愛の物語。
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