あらすじ
この世界で最も大切なものはなにかと聞かれたら、私はためらわずに答える。
定時退勤、と。
王宮で定時退勤だけを生きがいにしていた地味な書記官ミルフィ。
「——ねえ、聞いた?第二王子殿下が、婚約者のエリーン・ヴァンドール公爵令嬢と婚約破棄をされるんですって」
そんな噂話を耳にした瞬間、かつて別の世界で検察庁に勤める事務官として生きていたことを思い出す。
その直後、公爵令嬢の公開断罪に使われる証拠書類の捏造を見抜き、思わず王太子の前で異議を唱えてしまった。
そこから始まったのは、宰相の不正を暴く調査と、王太子との恋人役。
書類の嘘を暴いていたはずが、気づけば本物の婚約者になって——