あらすじ
『魔素』を動力とする魔具が、日常に溶け込んだ世界。
この世界唯一の大陸は、中央に君臨する『神聖ガルデア帝国』およびその同盟国からなる『十字同盟』と、それに抗う『反十字連合』によって二分されている。
かつて両陣営は大陸中を巻き込む大戦を引き起こしたが、決着はつかず休戦。以来、強固な均衡──『十字の平和』と呼ばれる戦乱のない時代を300年間も謳歌していた。
帝国の手が及ばない辺境の中立都市カノン。
八歳の少年グレンは、両親に愛され、幼馴染たちと共に温かい日常を送っていた。
明日も、明後日も、この平和な日々がずっと続いていく。誰もがそう信じていた。
しかしその平穏は、突如として空から降り注いだ『謎の光』によって、街ごと跡形もなく消滅する。
永遠と思われた平和を打ち破る、理不尽な破壊。
周辺諸国が「火山の噴火による天災」として処理する中、すべてを奪われ奴隷へと身を落としたグレンだけは、故郷を滅ぼしたのがあの無慈悲な「光」であることを知っていた。
先の見えない泥に塗れた過酷な奴隷生活。絶望が支配する底辺を這いずり、やがて行き着いた死の淵の奴隷市場で、グレンはただ一人、母が歌っていた故郷の「祈り」を口ずさむ。
その滅びた都市の言葉に興味を持った一人の歴史学者に引き取られたことで、少年の運命は大きく動き出す。
学者から様々な知識を教わったグレンは、光の正体を探るため連合の士官学校へ入学。魔素を燃料に空を制圧する兵器『飛空突撃艇《ストライカー》』の操縦桿を握り、出会った盟友たちと共に、空を駆ける部隊を率いていく。
そのさなか、偽りの平和は突如として終わり、グレンを巻き込み世界は再び大戦の渦へと飲み込まれていく。
──故郷を奪った『光』の正体とは何なのか。
これは、すべてを失った少年が、蒼穹の空に反逆の軌跡を描き、世界の平和を問う物語。
※なろうにも掲載しています。