あらすじ
私にはライバルがいる。同じ文芸部の神谷ゆらだ。
ゆらと私が応募した小説新人賞の発表の日。ゆらが言った。
「どきどきするね」と。
その言葉から自分とゆらは同じ立場だと思っていた。
だが、私が見たのは、結果発表の誌面にて、大賞の場所で燦燦と輝く神谷ゆらの名前だった。
ゆらへの嫉妬と結果を知っていたくせに私を馬鹿にするような彼女の言葉に怒りを覚え、私は神谷ゆらの名前の載ったページを破こうとする。
その私をふいに止めた人がいた。
それは、私の所属する文芸部の先輩であり、プロの作家としても活躍する五十嵐真冬先輩だった。
言葉も交わしたことのない先輩とのやり取りの中、最悪の結果発表の日は思いもよらない色を帯びていく。