あらすじ
西暦2101年。人類の飽くなき欲望が招いた気候変動により、地球の環境は完全に崩壊していた。2040年の北極氷床完全融解を皮切りに海面水位は60メートル上昇し、東京や大阪を含む沿岸大都市は水没。赤道地帯は湿球温度35度を超える致命的な熱の壁となって世界を分断し、南半球の多くは不毛の砂漠や泥濘へと姿を変えた。居住可能地を失った膨大な難民が北半球へと殺到した結果、ユーラシアおよび北アメリカ大陸は終わりなき領土獲得戦争の泥沼に沈み、無政府状態に陥っている。
水没を免れた北海道の旭川へと首都を移転し、奇跡的に戦火を逃れていた日本。しかし、世界的戦乱による物理的な孤立は、資源を持たない日本を真綿で首を絞めるように追い詰めていた。エネルギー自給は辛うじて維持しているものの、産業の要である鉱物資源の枯渇により、国家存亡のタイムリミットが目前に迫っていたのである。
重苦しい絶望に包まれる2101年7月、政府のもとに一筋の希望がもたらされる。氷が完全に消滅した南極大陸の地中深くに、日本の需要を恒久的に満たすほどの莫大な手つかずの資源が眠っているというのだ。破滅へ向かう世界の中で、生き残りを懸けて、未知なる極南の大地へと歩みを進める。