あらすじ
「君のその姿を見るたびに吐き気がする」——王宮の大広間で、婚約者エドワードは残酷な言葉と共に私を切り捨てた。隣には私の従姉妹セレスティアが寄り添っている。かつて「氷の薔薇」と称された美貌は、今や黒ずんだ呪いの痕に蝕まれ、社交界では「腐れ令嬢」と囁かれる始末。けれど私は知っている。この呪いの正体を。私が醜くなったのは、愛されなかったからじゃない——愛したから。彼を愛してしまったから。婚約破棄を淡々と受け入れた私は、ある決意をする。もう誰かのために自分を犠牲にするのはやめよう、と。愛することをやめたその日から、不思議なことが起こり始めた。呪いの痕が薄れ、かつての美貌が蘇っていく。そんな私の前に現れたのは、隣国の王太子ルシアン。「君は、自分が美しいことに気づいていないのか?」彼の真っ直ぐな瞳が、私を射抜く。これは呪いに囚われた令嬢が、自分自身を取り戻し、本当の愛を見つけるまでの物語。