あらすじ
魔物討伐で生活をしていた村の青年ノーマ。彼が仕事を終えて家に帰ると、見知らぬ勇者がタンスをあさっていた。
それは、この世界で『勇者に許された特権』だった。
ノーマの抵抗も虚しく、病気の母親のための薬草までもが勇者に持ち去られ、母親は病死してしまう。
さらに葬儀の最中、勇者が村中のタンスから貴重品を奪い去っていた事実を知るノーマ。
勇者の横暴を直訴するため、ノーマは国王の元へ向かう。
しかし、その場で告げられたのは前勇者の死亡だった。
そしてその瞬間、ノーマは『女神の紋章』を宿し、あろうことか次代の勇者となってしまう。
国王から渡されたのは、微々たる支援金と『人々の家でのタンスあさりを許す免状』。
免状を握りしめたノーマは、女神の紋章がもたらす『魔王を倒せ』という呪いのような焦燥に突き動かされるように、討伐の旅へと出発する。
金策に悩まされる厳しい旅路の中で、それでも、ノーマは絶対にタンスをあさらないと誓っていた。
そんな旅の途中、ノーマは魔物に滅ぼされた村の唯一の生き残りである赤髪の少女、アーミアを保護する。
彼女との出会いが、ノーマの旅に一筋の光明をもたらした。
勇者特権に頼らない苦しい状況の中でも、彼はアーミアに支えられながら真っ当な手段で旅の資金を稼いでいく。
そうして、魔王が支配する北部へと向かう旅支度が順調に整っていった。
しかし、数多くの歴代勇者たちは皆、北部に旅立ったきり誰一人として帰ってきていなかった。
待ち受けるのは、確実な死への旅路。
大切なアーミアをそんな場所に連れて行きたくないノーマは――。
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全11話の完結済み中編小説です。
毎日 21:20分ぐらいに更新を予定しています。