あらすじ
あるところに、思考が少しぶっ飛んだ母ちゃんがいた。
その母ちゃんは
「子どもは可愛いけどトイトレ面倒臭過ぎる。オネショとか不可避だろ。なんかないかな。暗いところが怖くなくなるもの」
と、思案した結果
「え?ミラーボール……よくない?」
と、その思考を実現すべく、新居内の寝室からトイレへ通じる廊下の照明をミラーボールに付け替えた。
無事子どものオネショは最初の1回だけに留まり、「キラキラ見たい」と、寝ている母ちゃんを起こし、トイレへ行けるようになった。
トイレへ行く=キラキラを見るという個性強めの解釈のまま幼稚園を卒園し、小学校低学年時は「家にミラーボールがある」ことで人気者となり、だがやはり異質であることから反抗期は「いつ外すんだよ?!」とブチギレをかますようになった少年。
それでもめげない母ちゃんはミラーボールを外さず、少年が高校生となった今も、玄関ホールの天井は一軒家の中で一番煌びやかなままだった。
少年はなんとか視界の上を掠めるミラーボールを無視しようと努力しているのだが、やはり。
「……なんで、光ってんの」
母ちゃんは機を見計らっては、ミラーボールを点灯するのだった。