あらすじ
「私は……四人目の彼女にもなれないんですか?」
愛さえも『軽い消費』になった時代。古川直樹は、誰もが思いもしなかった「一夫一妻の純愛小説」で一躍スター作家となる。ペンネームはワカナルオ。狂信的な女性ファンから身を隠すため、学校ではモブを演じている。彼は日本最高の文学賞まで手にしたが、父の借金に縛られ、相変わらず窮乏した暮らしをしている。成功を掴むため、彼は文芸特待生として名門・光坂高校に入学する。
「生徒会長になれば、総理大臣にだってなれるんだってさ!!」
光坂高校は男女共同生徒会長制。一年時に男女混成チームを組み、奉仕ポイントと人気、すべてを積み上げ、選挙を経て二年時に当選が確定する仕組みだ。
――問題は、そのパートナーだった。
「本当はね、人工衛星でも使って居場所を探して!ルオ先生を連れ出して、そのままウェディングドレスを一緒に選びに行って……」
白髪、狂気、一夫一妻至上主義。愛する作家、ワカナルオを誘拐監禁する準備ができている少女、天音侑子。だが、真の問題はそこではない。
『日本の悪』
それが、彼女の母に与えられた呼び名。保険金の支払いを渋ることで知られる日本一の医療保険会社『天音生命』。その頂点に立つ天音冬子は、顧客に襲撃されかけた事件によって、全国にその顔を知られている人物だ。
その娘である侑子もまた、校内最悪の嫌われ者。それでも彼女は一族の影から逃れるため、後継者の座を捨て、生徒会長当選を目指して直樹とチームを組む。
校内最悪の評判。
いつ監禁されてもおかしくない運命。
それでも――勝てば、すべてを手に入れる。
『クイーンメーカー』
古川直樹の、人生を賭けたゲームが始まる。