あらすじ
30歳の引きこもりゲーマー、鈴木勇人(すずきゆうと)は、仕事もせず、外出といえば近所のコンビニに行く程度。食事は母親が部屋まで運び、生活のほとんどを自室でゲームに費やしていた。そんな勇人に対し、両親の我慢もついに限界を迎える。ある夜、母親から「そんなにゲームが好きなら、あんたなんかゲームの世界に行ったらいい!」と怒鳴られ、勇人も「行けるなら行きたいよ、クソババア!」と言い返したまま眠りにつく。
しかし翌朝、勇人が目を覚ますと、そこは見知らぬ草原だった。自分の部屋のベッドごと外に放り出されたような状況に混乱する中、目の前にはゲームで見慣れたはずのスライムが現れる。さらに周囲の景色や地形を見て、勇人はここが自分のやり込んでいたゲーム『ドラモンクエストリア』の世界によく似ていることに気づく。
最初は夢だと思い込もうとする勇人だったが、痛みも空腹も現実そのもの。しかも、いつものようにリセットもできない。ゲームでは何度でもやり直せたはずの世界で、勇人は初めて「死ねば終わりかもしれない恐怖」と向き合うことになる。
現実では何もできなかった男が、ゲーム知識だけを頼りに異世界で生き延びることはできるのか。これは、逃げ続けてきた引きこもりゲーマーが、リセット不能の世界で少しずつ本気で生きる意味を知っていく物語。