あらすじ
音楽を作る男は、完成のたびに空虚さに沈む。
ある夜、コンビニで出会った、どこにも帰る場所のない女を部屋へ招き入れる。
ほとんど言葉を交わさないまま過ごす時間の中で、女は問いかける。
「なんで、やめないの」
その問いは、男の中にある恐怖を引きずり出す。
死後の“無”が、終わることなく続く時間として迫ってくる。
崩れかける意識の中で、ただ「死にたくない」と繰り返す男。
その傍らで、女は静かに言う。
「そんなに怖いなら、生きればいいじゃん」
恐怖は消えない。
それでも、わずかに現実の重さを取り戻した朝、
男は“言い切れないまま”生きることを選ぶ。