あらすじ

中学最後の全国大会。 控え投手・西野和樹は、エース松永達哉の背中をベンチから見つめ続けていた。 自分の方が速いストレートを持ちながら、試合でマウンドに立つのはいつも松永。 しなやかなフォームとサークルチェンジで打者を翻弄する彼に、和樹は強い憧れと同時に拭えない劣等感を抱いていた。 大会は準優勝という結果で幕を閉じるが、和樹の胸に残ったのは歓喜ではなく、「自分は何者にもなれなかった」という痛みだった。 そんな中、松永が高校野球の道を自ら断つという事実を知る。 信じられない思いを抱えた和樹は、彼をグラウンドに呼び出し、その真意を問いただす。 しかし松永の口から語られたのは、意外な言葉だった。 「お前のストレートには敵わない」—— 自分が憧れていた存在は、同時に自分に憧れていた。 交わることのなかった二人の想いは、その日、静かに重なっていく。 それから三年。 高校のマウンドに立った和樹は、かつて託された言葉とともに白球を握る。 あの夏、届かなかった場所へ。 そして、自分自身の答えを投げるために

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カクヨム
カクヨム2026/03/28
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