あらすじ
「エコだから」とエアコンのタイマーを切った昼下がり、親友の姉は熱中症で死にかけた。
電話越しの私の指示で一命は取り留めたものの、あの日を境に親友・ミオの様子がおかしくなってしまう。
睡眠中の二時間おきの生存確認。入浴時間の秒単位での計測。GPSアプリでの追跡。
姉を失いかけた恐怖と、「自分が殺しかけた」という強烈な罪悪感(サバイバーズ・ギルト)から、ミオの純粋な「心配」は、いつしか狂気的な「監視」へと変貌していく。
「ユイには、わからないよ。安全な場所から指示してただけだもんね」
安全圏から正論を振りかざすことしかできなかった私に、壊れていく彼女を止めることはできるのか?
殺意のような猛暑を舞台に描く、狂気と再生のひと夏の物語。