あらすじ
「燃え上がれ、正義の業火! マジック・レッド!」
灰色の採石場に、名乗りの声が響き渡る。
極彩色に輝く五人の魔法戦士『魔彩戦隊マギア・カラーズ』
彼らは希望を叫び、華麗な魔法で悪を討つ大衆のアイドルだ。彼らの戦いは常に美しくなければならず、泥臭い殺し合いは許されない。
だが、スポットライトを浴びる彼らの背後、深い影の中に「俺」が息を潜めている事実を誰も知らない。
俺が纏うのは、六人目の装束にして光学迷彩。
魔力属性『無色(クリア)』
名乗りは上げない。自己顕示という色を拒絶し、純粋な裏方(黒子)として戦場を完璧にコントロールするのが俺の仕事だ。
大振りの剣で突っ込むレッドの死角をフォローし、ブルーの足元の地雷を誰にも気づかれずに解除し、光り輝く彼らを見えない泥で支える。
「奇跡じゃない。物理と計算だ」
たとえ敵の自爆という絶望的なエネルギーを身一つで抑え込み、肉体がボロボロに引き裂かれようとも、誰一人として俺に拍手は送らない。
正義には「色」が必要だ。大衆は泥臭い真実よりも、奇跡の色彩を求めている。だからこそ、世界を完璧に回し続けるための「無色」の歯車が必要なのだ。
これは、極彩色の正義の裏側に隠された、誰の記憶にも残らないプロフェッショナルの戦いの記録。