あらすじ
「聖女様、その奇跡には消費税がかかりますし、労働基準法違反です」
地球と異世界がゲートで繋がり、数年。
かつての混乱は去り、今や異世界人は「技能実習生」として日本の労働力を支える存在となっていた。
そんな異文化交流の最前線、一般社団法人 異世界技能振興機構(通称:ISDA)に勤める佐藤健斗は、日々、異世界人が起こす魔法トラブルの謝罪と、山のような始末書に追われる、死んだ魚の目をしたブラック事務員である。
ある日、彼が担当することになったのは、異世界最大宗教の次期聖女候補、ルミナ・エリュシオン。
「地界の卑しい事務員が、私に指図するのですか?」
プライドの塊である彼女は、現代日本のルールを「魔力のない者の小細工」と見下し、行く先々で神聖魔法をぶっ放しては大騒動を引き起こす。
しかし、健斗は動じない。
「ルミナ様、その奇跡、公共電波法に抵触します。あと、これ、残業申請書と始末書の束です。朝までに書いてください」
徹夜で自分を守り、魔法理論をロジックで解き明かす健斗の「社畜の意地」を目の当たりにするうち、ルミナの心に変化が訪れる。
「……佐藤、その。……この『しゅーくりーむ』という聖遺物を、半分、あなたに授けます。だから、今夜はもう寝なさい」
これは、世界を救う力を持つポンコツ聖女(予定)と、エクセルと胃薬で世界を回す限界事務員が、文化の壁とブラックな労働環境に立ち向かう、お仕事&異文化交流ラブコメディ。