あらすじ
帝国に征服されたある国の少年エドゥアルドは、夏の離宮を利用した孤児院に住んでいる。
出入りの自由無く冬の寒さの中でも、そこから出ることを許されてはいない。それは直系の血筋で唯一生き残ったフアナ姫の子供であり、王子とも言える男子だからだ。
帝国からは反乱のキッカケにならないかと警戒され……。同胞であるはずの国民からは、『生き残るために国家を売り渡した裏切り者の息子』として忌み嫌われていた。
それでも生きていけるのは、単に彼の父親が征服者である帝国の皇子だからである。
何かに使えるかもしれないから生きている間は監視しておく。征服者と被征服者の間でそんな暗黙の了解があり、幽閉同然に同じような境遇の子供たちと共に離宮で暮らして|居た《・・》。
居た……。そう、過去形。全ては過去の事。転生者としての記憶が蘇ったのか、あるいは憑依して上書きしてしまったのか? どちらにせよ、元の少年エドゥアルドでは無くなってしまったのである。