あらすじ
魔王を倒した勇者は、王都に凱旋した。
誰もがそう信じた翌朝、その勇者は王城地下の礼拝堂で死体になって見つかる。
王国は「魔王との死闘で受けた傷が原因」と発表し、教会は勇者を《英雄聖別》しようとする。
けれど、異端審理院の下級記録官ノア・セルヴェは、勇者の遺体にどうしても見過ごせない違和感を覚えてしまった。
ノアが使う禁術《残響視》で見えるのは、真実そのものではない。
死者が“最期に信じていたこと”だけだ。
少し不器用で、記録のことになると妙に引けないノアと、勇者の元従者カイン。
英雄の死に残された矛盾を追ううち、ふたりは知ってしまう。
この国では、英雄は魔王を倒したあと、生きて帰ってはならないのだと。
これは、勇者殺しを暴く物語ではない。
英雄という制度そのものを告発する、異世界謎解きミステリ。