あらすじ
死の間際、最期に見たのは母の涙だった。
窃盗、強盗、殺人、薬物、恐喝――
刑法で裁かれるほとんどの罪を犯しながら、彼は一度も裁かれなかった。
父は警察官僚。
権力はすべてを揉み消した。
被害者は泣き寝入りし、真実は闇へ葬られる。
守られ続けた怪物。
だが、最後に彼を裁いたのは
国家でも、司法でも、神でもなかった。
――母だった。
目を覚ました先は、六道最下層「地獄道」。
燃え盛る炎、血の池、毒蛇の河。
そして告げられる。
「罪状確認を開始します。」
これは、裁かれなかった男の
最初で最後の裁きの物語。