あらすじ
私の仕事は、聖女様のナナメ後ろに立つことである。
右でも左でもなく、ナナメ後ろ。
それが、絶妙な位置だからだ。
ある街の教会。
誰からも愛される聖女様は、信じられないほどお人好しだ。
自分を利用しようとする大人たちにすら無邪気に微笑み、それを文字通りの善意として受け取り、無邪気に解決の無茶振りを連発してしまうのだ。
「そんな下心、私が通すわけないでしょう」
追放された過去を持つメイドは、経験と知識により、他人の嘘を見抜く冷徹な観察眼を持っていた。
彼女は言葉と書類のテクニックを武器に、大人たちの難題を潰していく。
聖女様の善意を利用しようとした大人たちは、ことごとく自滅していく。
そこに感情は生まれない。
ただの情報であり、私は聞かれなかったから伝えなかっただけだ。
これは表舞台には決して立たない冷めたメイドが、純粋な太陽を日陰から守り抜く、ちょっと忙しくてほのぼのしたお仕事コメディ。
今日もメイドは、聖女様には絶対に見えない場所で、密かに口角を上げるのだ。