あらすじ

灯火の消えぬ街の果てに、 「不夜町」と呼ばれる異界が存在する。 そこは妖怪、亡霊、そして人の感情が交錯する狭間であり、現実と夢の境界でもある。 朔夜玄鸫羽。 彼は二つの世界を渡る狩人――“夢狩(ゆめがり)”。 そして、すでに滅びかけた妖の一族――“夜渡霊(やとれい)”の末裔でもある。 夜に彷徨う魂を導き、時に斬る宿命を背負った存在だ。 彼は怨念や悪夢から生まれる“悪霊”を狩ることで生き、 現実ではただの高校生として、死と隣り合わせの日常を過ごしていた。 だがある日、彼は一体の悪霊を“殺した”。 ――はずだった。 その残骸から、一人の白い少女が生まれる。 過去の記憶を持たず、善悪の概念すら知らない。 それでいて、怨念に触れ、亡者の記憶を覗くという異質な力を宿していた。 そして何より―― 彼女は、いずれすべてを壊す存在へと変わる。 それでもなお、玄鸫羽は彼女を不夜町へと連れ帰る。 灯りの絶えない居酒屋「安月斎」。 意味深な眼差しを向ける狐の女主人のもとで、 少年と“存在してはならない少女”の、危うくも静かな日々が始まる。 穏やかな夜を共に過ごし、 少しずつ崩れていく世界にも向き合いながら。 だが―― そのすべての優しさの裏側で、 逃れることのできない結末が、静かに近づいていた。

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カクヨム
カクヨム2026/03/27
  • 現在の作品不夜町奇譚