あらすじ
東京・上野の賑やかなガード下近く。古びた雑居ビルの2階にある『退職代行ヤリナオス』は、会社を辞められず絶望の淵に立たされた人々の「最後の砦」だ。
代表の久保田澪は、29歳のクールな弁護士。自らもかつて人間関係で挫折し、退職を経験した過去を持つ。彼女の武器は、感情を排した冷徹なロジックと、弁護士資格という圧倒的な法的権限。そして彼女を支えるのは、元労働基準監督署の調査員で脱力系のキレ者、瀬戸蓮と、ブラック企業で心身を壊した過去を持つ毒舌事務員、市川くるみ。
「辞めるなら損害賠償だ」「代わりを連れてこい」――。
昭和の精神論で社員を縛り付ける悪徳社長や、マインドコントロールを仕掛ける上司たちの暴論を、澪は一言で切り捨てる。
「その権利、あなたにはありません。」
1階の喫茶店『琥珀』でマスターの淹れるコーヒーを飲み、作戦を練り、解決した夜には馴染みの店で愛酒『久保田』を酌み交わす。
これは、理不尽な組織という檻から人々を解き放ち、新しい人生のスタートを支援する三人の、孤独で痛快な戦いの記録である。
久保田 澪(くぼた みお) / 29歳
代表・弁護士。元エリート弁護士。人間関係の悩みで自らも退職を経験した挫折人。クールで理性的。眼鏡をクイッと上げるのが反撃の合図。
決め台詞:「その権利、あなたにはありません。」
嗜好:自分の名にちなんだ「久保田(千寿・万寿)」や「澪(みお)」を愛飲。
瀬戸 蓮(せと れん) / 35歳
助手(パラリーガル)。元・労働基準監督署 調査官。飄々とした脱力系。澪を「澪さん」と呼び、精神的支柱となる相棒。元労基の嗅覚で隠蔽工作や裏帳簿を暴く現場調査のプロ。
嗜好:日本酒好き。澪に安旨な地酒を教える師匠的な一面も。
市川 くるみ(いちかわ くるみ) / 26歳
事務員。元ブラック企業勤務。癒やしと毒舌。前職で心身を壊した経験から、依頼人に深く寄り添う。悪徳社長には真顔で「あ、その論理、1ミリも通じないんで」と容赦ない毒を吐く。