あらすじ
公爵令嬢レティシア・フォン・アルタードは、婚約者である王太子のために六年間、王国の財政を陰から支えてきた。
無能な王子の代わりに事業を立て直し、国庫の赤字を埋め、自分の私財まで注ぎ込んで王国を支え続けたのは、民と、そして自分が育ててきた孤児院の子供たちを守るためだった。
——なのに卒業パーティーの夜、王太子は愛人の男爵令嬢を隣に立たせて、レティシアに婚約破棄を宣言する。
罪状は、嫌がらせと国庫の横領。
けれどレティシアは慌てない。
なぜなら、王国の数字も、王子の無能も、愛人の不正も、すべて帳簿の上で把握済みだったから。
「では殿下。横領とは、具体的にどの数字を指して仰っていますか?」
王子が失うのは婚約者だけではない。
王国を支えていた資金も、信用も、未来も——全部だ。
さらにその場には、彼女の手記を四年前から読み続けていた隣国皇帝まで現れて……?
数字で王国を見切った有能令嬢が、育てた子供たちごと新天地へ引き上げる、婚約破棄ざまぁです。