あらすじ
母が亡くなってから、父・けいは何もできなくなった。
仕事にも行かず、食事も取らず、ただ時間だけを無為に過ごしていく。
そんな父を前に、娘のひなは一人で日常を受け止めていた。
声をかけても届かない。そばにいるのに、どこか遠い。
やがてすれ違いは大きくなり、二人の距離は決定的に離れていく。
ある日、けいは遺された母の荷物の中から一通の手紙を見つける。
そこに書かれていたのは、何気ない言葉と――
「ひなのこと、よろしくお願いします」
その一文が、止まっていた時間を動かし始める。
失ったものは戻らない。
それでも、残されたものに向き合うことはできるのか。
これは、ひとつの約束を受け取るまでの物語。