あらすじ
装幀市、シャッター街の最果て。
午前二時、丑三ツ時にだけ暖簾を掲げる"丑三ツ書店"。
そこは、この世に未練を残して絶命した者たちの最後の一文――"絶筆"だけを扱う、奇妙な本屋だった。
主人公・白河朔は、小説家を志しながらも「自分の言葉を持たない」と一蹴された大学生。
彼はある日、敬愛する小説家の叔父の不可解な死に直面する。
叔父が遺したのは、一万行に及ぶ狂気的なまでの文字の羅列。
謎の美少女店主・墨千夜に導かれ、朔は死者の筆跡を寸分違わずなぞる"清書"を行っていく。
文字をなぞれば、死者の体温が流れ込む。
言葉を綴じれば、隠された悪意が姿を現す。
叔父は何を伝えようとしたのか?
二十年前の惨劇の真実とは?
これは、空っぽな青年が他人の死を"清書"することで、真実という名の"裏地"を剥ぎ取っていく、血とインクのビブリオ・ミステリー。
「さぁ、見せてごらん。君が抱えている、その美しくも悍ましい"死者の声"を」