あらすじ
「嘘だろ、柴三郎……。お前一人じゃ、もう衣の端っこすら買えないのか……?」
空前の物価高。かつて庶民の味方だった『とんかつ定食』は、今や新千円札の北里柴三郎を三枚動員しなければ拝めない「高嶺の花」になっていた。
とんかつを愛し、揚げ物の音を子守唄に育ったサラリーマン・佐藤揚太郎(さとう・あげたろう)は、絶望のあまりスーパーの見切り品パン粉を握りしめたまま異世界へ転移してしまう。
辿り着いたのは、最高級の豚肉を「ただの水煮」にして食べる食文化の暗黒大陸だった。
「豚に対する冒涜だ! 二度揚げの真髄、教えてやるよ」
ユニークスキル『黄金比の衣』と『無限ラード』を引っ提げ、揚太郎は巨大魔獣を丸ごと揚げ、和カラシという名の衝撃を異世界に叩きつける。
これは、日本では「持たざる者」だった男が、サクサクの衣とシャキシャキのキャベツで世界を救う、カラッと揚がったサクセスストーリー。